クールな幼なじみ(将来の)旦那様は、私にだけ特別甘いようです。
自分の中に居座るおかしな感情を、どう対処しようか車の中でずっと考えていた。





家……同居しているお屋敷についてから。


大きな二つのソファに、向き合うような形で座った私達。


鋭い空気が流れる中、ぎゅっとスカートを握りしめて悲しみに耐えていた。


「……まず、一つ目」


一つ目……?


「美都、久宝家に嫁ぐにあたって、大切なルールがあるんだ」

「ルール……?」

「ああ。いくつかあるが……これは、とても大事なことだ」


とっても……大事なこと……?


「美都、久宝家の花嫁の定めで、夫の許可なく他の男と外出するのは固く禁じられている」

「……へっ?」

「それと……久宝家の男はほぼの確率で運命的な出会いを果たし一度見つけた女性には一途だから、浮気なんてしない」


ど、どういうこと……?


「つまり……私は、大切なルールに反いちゃったってこと……?」

「ああ、そういうことだ」

「そん、な……」


なんてことしちゃったんだろう……!!
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