クールな幼なじみ(将来の)旦那様は、私にだけ特別甘いようです。
「……どうして、そんなこと言うんだ……?」


なんで、そんなに悲しそうなお顔をするの……?


「だって……だって奏くんが好きなのは——」


ガチャン!!


「みーと!!」

「お、お兄ちゃん!?」


いつのまにか現れたお兄ちゃんにぎゅっと抱きつかれる。


「ふふっ、可愛いね〜!!今日は美都が大好きなケーキ持ってきたんだよ!食べる?一緒に食べよっか!」


ふふふふとご機嫌良さそうににこにこしているお兄ちゃん。


「おい湊都!」

「なんだよ奏」


ギロッと奏くんを悩みつけたお兄ちゃん。


「お、お兄ちゃん……!奏くん睨んじゃだめ!」

「ええ〜しょうがないなぁ」


私の方を向いてにっこり微笑んだお兄ちゃん。


「あ、そう言えばね」

「……?」

「『美波』ってヤツが話があるらしいよ?」

「美波……?」


眉間にシワを寄せた奏くん。


「ソイツはとっくに退学に——」


ガチャンッ!!


ドアが開くと共に、奏くんは私の方へ来て、私を軽々と抱き上げた。


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