クールな幼なじみ(将来の)旦那様は、私にだけ特別甘いようです。
「……ねぇ、聞いてんの!?」

「不法侵入だ、捕らえろ」


奏くんの低い声が響く。


すると、たくさんのボディーガードの人が出てきて……美波さんを押さえつけて、どこかへ連れてってしまった。


「いやいや、不法侵入って僕が入れたんだけど」


そ、そっか、お兄ちゃんが連れてきてたんだった……。


「関係ない。主の許可なく入ったんだから不法侵入だ。湊都、お前だって不法侵入に変わりはないんだぞ」


た、たしかにそうなの……かな?


「えー僕はお兄様なんだしよくない?」

「よくない。さっさと帰れ」

「ちぇーじゃあまたくるねー!美都!」


にっこにこで手を振りながら去って行ったお兄ちゃん。


短時間ながら、ものすごく疲れた気がする……。


「……美都、騒がしくなってすまないな」

「ううん、大丈夫だよ……?」

「だめだ」

「えっ?」


な、なにか悪いことしちゃったかな……?


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