クールな幼なじみ(将来の)旦那様は、私にだけ特別甘いようです。


「美都様はもう少し自信を持つべきです。奏が言いたかったのは、小さい頃から妹としてではなく女性として、恋愛感情を持っていたということではないのでしょうか?」

「恋愛、感情を……?」

「はい」


そんな、夢見たいなことあるのかな……?


「この方が、奏に好きだとか愛してると言われた辻褄が合うでしょう?」

「た、たしかに……」


だ、だけど……。


「信じられないんです……」


あれ……視界が……。


ポロポロと我慢の限界を迎えて溢れ出した涙。


「奏くんのこと、大好きだからこそ……これが夢だったとか……嘘だとした時、立ち直れる自信がなくて……」

「そんなに愛されている奏が羨ましいですね」

「えっ……?」

「いえ、なんでもありません」


にこっと切ない笑みを浮かべた皐月さん。
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