クールな幼なじみ(将来の)旦那様は、私にだけ特別甘いようです。
「……美都」

「かっ!奏くん……!?」


びっくりした……!!

いつのまにかダイニングルームにいた奏くん。

やっぱりまだ眠たそうだ。


休日だからか、寝癖もたくさんついていて……なんだか、やっぱりとっても可愛らしい。


「なんかあったの?」

「へっ?う、ううん」


あ、遥希くんに気づけなくてごめんって言わないと……!!!


「これだね」

「へっ?」


机の上に置いておいたスマホを素早く奪われて……奏くんはなぜか私のスマホを開いていた。


「か、返して……!!」


私が届かないようにするためか、腕を上げている奏くん。

持っているスマホを取りたくてジャンプしても、ちっとも届きそうにない。


「美都、大人しくしてて」


ぽんぽんと頭を撫でられる。


仕方ないから……大人しくしてよう。


奏くんのことだし、きっと悪いことはしないよね。


そう思った瞬間だった。


「———もしもし日向、美都がお前のことなんか大っ嫌いだって」

「……え?か、奏くん!?」


な、なにやってるの!?

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