クールな幼なじみ(将来の)旦那様は、私にだけ特別甘いようです。
だけどそんな気持ちでふわふわしていると……。


「ごめんね、美都」

「?」


しゅんとしながらも何故だか不敵に微笑んでいる奏くん。


「ちょっとだけ、囚われのお姫様になっててくれる?」

「ど、どういうこと?きゃっ……!」


お姫様抱っこされて、私は奏くんのお部屋に連れて行かれる。


「か、奏くん……!?」

「美都の好きなもの、たくさん用意したんだ」


奏くんの部屋には、私の大好きなぬいぐるみがたくさん、甘いお菓子もあるし、前から見たかった本もたくさん置いてあった。


まさに、天国と言ってもいい空間だけど……。


「囚われのお姫様って……?」

「そのままのことだよ」


ま、まさかっ……。


途端に嫌な予感がして、ジタバタ暴れる。

けれどそんなのは抵抗しないに等しいらしく、奏くんにはおろしてもらえない。



「お願いっ奏くん……!私、この部屋に閉じ込めないで……!」

「あ、よくわかったね」


にっこり微笑んだ奏くん。
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