クールな幼なじみ(将来の)旦那様は、私にだけ特別甘いようです。
「美都ちゃん大丈夫……!?」

「う、うん!全然大丈夫だよ!」


そう言う美都だけれど、苦しいのかずっと俺の胸を押し返してくる。


いい加減可哀想になって、不本意だが抱きしめることをやめた。


「は、遥希くん、あのね」

「ん?」

「私、やっぱり奏くんのことが好きで……遥希くんのことも好きだけど、お友達としてで……やっぱり特別に好きなのは奏くんなんだって思ったの」


申し訳なさそうにそう言う美都。


「……そっか」

「だからね、これからもお友達でいて欲しいなって……私の背中押してくれて、ありがとう」

「ううん、全然いいよ。諦めないから」

「……へっ?」


……今、諦めないっつったか?


「今日は突然押しかけちゃってごめんね、でも美都ちゃんの顔見れてよかった。じゃあまたね」


美都に手を振った日向は、自分の執事を連れて部屋を出て行った。


「あ、あれ?帰っちゃった……?」


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