クールな幼なじみ(将来の)旦那様は、私にだけ特別甘いようです。

「……美都?どうかしたか?」

「か、奏くん……」


あ、れ?


ラブレターを渡そうとした女の子は悔しそうに下唇を噛み締めて。


他にいつも通り奏くんと私を、遠くから見ている生徒達は全く動揺せずにいたり


「もしかして、何かされたのか?」

「う、ううん……違うよ」


だけど……。


「奏くん、あれは酷いんじゃないかなっ……?」

「……じゃあ逆に、喜んでもらって欲しかったのか?」

「えっ……?」


そんなはず、ない……。

自分の中で醜い感情がだんだん出来上がって行くみたいだった。


「え、えっと……でも……あれは酷いんじゃないかなって……」

「美都、ちょっときて」

「えっ?わっ……!」


ひょいっとお姫様抱っこされて……。
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