クールな幼なじみ(将来の)旦那様は、私にだけ特別甘いようです。
奏くんが今どんな表情をしているのかわからない。
だけど……嫌な顔はしていないと思う。
「……美都」
「ん……?」
肩に手を乗せられて、視線が再び交わった。
「それは、嫉妬って言うんだ」
「えっ……?」
「俺があの女にラブレターを貰ったらと思って嫉妬したんだよ」
「そう、なの……?」
「ああ。俺に比べたらまだまだ可愛いもんだが、嬉しいな」
嬉しい……?
「奏くんは、あの人のこと好きじゃないよね……?」
「ああ、俺が愛してるのは美都だけだ」
「よかったっ……」
今度は自分から、ぎゅっと奏くんに抱きついた。
「ふふっ、よしよし」
背中を優しくさすられる。
「……美都」
「どうしたのっ……?」
「俺は、今の美都みたいに嫉妬することが、日常茶飯事なんだ」
「えっ……!?」
こんなに苦しい感情がずっとなんて、辛いよね……!?