クールな幼なじみ(将来の)旦那様は、私にだけ特別甘いようです。

奏くんが今どんな表情をしているのかわからない。

だけど……嫌な顔はしていないと思う。


「……美都」

「ん……?」


肩に手を乗せられて、視線が再び交わった。


「それは、嫉妬って言うんだ」

「えっ……?」

「俺があの女にラブレターを貰ったらと思って嫉妬したんだよ」

「そう、なの……?」

「ああ。俺に比べたらまだまだ可愛いもんだが、嬉しいな」


嬉しい……?


「奏くんは、あの人のこと好きじゃないよね……?」

「ああ、俺が愛してるのは美都だけだ」

「よかったっ……」


今度は自分から、ぎゅっと奏くんに抱きついた。


「ふふっ、よしよし」


背中を優しくさすられる。


「……美都」

「どうしたのっ……?」

「俺は、今の美都みたいに嫉妬することが、日常茶飯事なんだ」

「えっ……!?」


こんなに苦しい感情がずっとなんて、辛いよね……!?
< 181 / 243 >

この作品をシェア

pagetop