クールな幼なじみ(将来の)旦那様は、私にだけ特別甘いようです。
「では戻りましょうか」
「はい!」
まだお弁当食べてなかったし、お腹すいちゃったなぁ。
そんなことを思って歩き出すと———
3人のの女子生徒に囲まれた皐月さん。
「千秋様!私と付き合ってください!」
「いいえ私と!!」
「いえ私と!!!」
も、モテモテって大変だな……ってそんなこと考えてる場合じゃない!
どうしよう、皐月さんとっても困ってる……。
何かできることはないかと考えていると……。
「ごめん、申し訳ないけど彼女いるから」
「……へ?」
皐月さんに肩を抱き寄せられて、挙げ句の果てにそんなことを言われてしまったのだ。
あ、れ……?
これ、断るためだってわかってるけど……絶対、誤解生んだよね!?
奏くんとの約束だって破っちゃったし……どうしよう……!!
頭が真っ白になりそうな中、女の子達に睨まれる。
「え、えっと……」
なんて言えばいいのかわからないで、立ち尽くしてしまった。
すると皐月さんに手をぎゅっと握られて、そのまま引かれて走り出した。