クールな幼なじみ(将来の)旦那様は、私にだけ特別甘いようです。

*高等部校舎*


なんとか戻ってこれたけど……。


「はぁはぁ……」


全力疾走しちゃったから、すごい息が切れてる……。


「大丈夫ですか、美都様」


一方皐月さんはなんともないようだった。


「は、はいっ……」

「すみません、突然」

「い、いえ……」


仕方ないよね、……多分。


「美都様」

「……?どうされましたか?」

「やはり美都様は、お優しくて……今までに出会ったことのないぐらい純粋な心の持ち主ですね」

「きゅ、急にどうされたんですか……!?う、嬉しいですけど……皐月さんも、とっても優しい方ですよ?」

「そんなこと言ってくださるのは美都様ぐらいですよ」


そんなこと、全然ないと思うのに……。


……でも。


「すみません、用事思い出したのでちょっと先に戻ります」

「美都様……!?」


廊下は走っちゃいけないってわかってるけど……早く会いたい人がいる。


< 190 / 243 >

この作品をシェア

pagetop