クールな幼なじみ(将来の)旦那様は、私にだけ特別甘いようです。
*高等部校舎*
なんとか戻ってこれたけど……。
「はぁはぁ……」
全力疾走しちゃったから、すごい息が切れてる……。
「大丈夫ですか、美都様」
一方皐月さんはなんともないようだった。
「は、はいっ……」
「すみません、突然」
「い、いえ……」
仕方ないよね、……多分。
「美都様」
「……?どうされましたか?」
「やはり美都様は、お優しくて……今までに出会ったことのないぐらい純粋な心の持ち主ですね」
「きゅ、急にどうされたんですか……!?う、嬉しいですけど……皐月さんも、とっても優しい方ですよ?」
「そんなこと言ってくださるのは美都様ぐらいですよ」
そんなこと、全然ないと思うのに……。
……でも。
「すみません、用事思い出したのでちょっと先に戻ります」
「美都様……!?」
廊下は走っちゃいけないってわかってるけど……早く会いたい人がいる。