クールな幼なじみ(将来の)旦那様は、私にだけ特別甘いようです。
「っ……!ご、ごめんねっ……!」


私ったら、また変なこと言っちゃった……!!


鏡を見ているわけでもないのに、顔が真っ赤になってしまっていることがよくわかって、奏くんに背を向けてしまった。



「……ごめんね?なにがなんだ?もう、訂正なんてできないよ」


にっこり微笑んでそう私に言った奏くん。


「あ、あはっ……は……」


奏くんが“だよ”とか、“だね”っていう時は、いつもより特にご機嫌がいい時の印だと私は思うのだけれど……。


ご機嫌になる、要素あったかな……?

もしかして、闇を抱えた笑い方だった……?!


「……美都」

「ん?」

「俺はこれから、美都と両思いになりたいと思ってる」

「……へっ?」


両思い……!?

真剣な顔で、急にそう言われてしまう。


「結婚するに伴って、お互いのこと、幼なじみ以上に考えた方がいいと思うんだ」

「う、うん……」


私は、とっくに……。


この瞬間、胸がズキズキと傷んだ気がした。
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