クールな幼なじみ(将来の)旦那様は、私にだけ特別甘いようです。
あんな側から見たら無表情で何を考えているのかわからなくて、冷徹で顔と家柄だけのヤツを、心の底から好きになれるか普通。
前に日向が美都様を振り向かそうとした時でさえ、美都様は苦しみながらも奏をとても愛していた。
だから……何があろうと、あの二人を引き裂くなどできない。
……そんなことしたら……久宝に、消されてもおかしくはないし。
「あ、あの皐月様!!」
名前を呼ばれて、振り向く。
そこには5人ぐらいの女子生徒がいた。
「……なんのようかな?」
見るに、1年生と2年生だが……。
「アタシ達、協力します!」
「皐月様のこと、応援したいんです!」
そう訴えてきた。
なんだか、ここまで来るとバカにされているようにも思えて来るな。
「そういうの、いらない。迷惑だからもう関わらないでね」
にこっと愛想笑いを顔に張り付けて、立ち去った。