クールな幼なじみ(将来の)旦那様は、私にだけ特別甘いようです。

やっぱり、私は奏くんにはただの幼なじみとしか見えていないんだな、って。


「……なぁ、最近美都変だよな」

「へっ?だ、だから私は———」


答えようとすると奏くんは徐々に、ソファに座っている私に迫ってきていた。

そして、奏くんがソファに手をつくと。


もう少しで鼻が触れ合ってしまいそうなぐらい近い距離になってしまった。

奏くんの綺麗な顔が目の前で、ドクドクと心臓の音が大きくなって行く。


「か、奏くっ……」


コツッ


……?


おでこ同士がくっつきあった。


「熱は、無いみたいだな」

「あ、う、うん……」


なんでだろう、よくわからないけれど期待してしまった気がする……。

ただ、おでこを合わせてお熱を測ろうとしてくれただけなのに……。


なんだか、申し訳なくて恥ずかしい……!!


「……ん?どうかしたか?」

「う、ううん!なんでもないよ!」


下唇を噛み締めて恥ずかしさに耐えていると、余裕そうな奏くんにそう聞かれてしまった。


でも、なんで、だろう……こんなに近くにいるのに、とっても遠い気がする……。


「……あ、そうだ美都」

「ん……?ど、どうしたのってへっ!?」


急に私を持ち上げた奏くんは、そのまま自分の膝に乗っけてしまったのだ。


「お、重いよ!」

「大丈夫だ、美都は軽いから。」

「いやいやっ……!」


っていうか、どうしてこの体制に……!?


恥ずかしさと嬉しさと、申し訳なさな感情でもう頭がいっぱいいっぱいだった。
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