クールな幼なじみ(将来の)旦那様は、私にだけ特別甘いようです。
「じゃあ、ずっと一緒にいる約束のキスしようか」

「へっ!?」

「もうすぐ俺誕生日だし、美都からしてくれてもいいよね?」

「そそそっ……!?そんなっ!?」


そういえば私、自分からキスしたことないっ……!?


「ん」


目を瞑った奏くん。

おそらく、この世で一番カッコよくて美しいっ……。

そんなことを呑気に思いながらも……私も、自分で奏くんにキスしてみたかった。


奏くんにキスされると、愛されてるんだなって自覚できるからっ……私も、その気持ちを伝えたくて……。


だから……。


ぎゅっと目を瞑って、一生懸命顔を近づけた時だった。


コンコンッ


「っ……!」


ドアがノックされる音が二人きりの部屋に鳴り響く。


その瞬間、つい奏くんから離れてしまった。


ガチャンッ


「失礼いたします。美都様、言われていた品ですが———」


入ってきたのは皐月さんだった。


「……美都、アイツと喋ったのか?」

「い、いや違うよ……!」



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