クールな幼なじみ(将来の)旦那様は、私にだけ特別甘いようです。
「あ、あのっ……本当に、恥ずかしい……」
「俺のこと、ちゃんと見て」
「む、無理だよっ……!」
いつのまにか右手首をぎゅっと掴まれていて、逃げることが許されない。
顔が真っ赤になってることがすぐにわかってしまって、けれど手で隠すことも許されなくて……。
「……ふふっ、大丈夫、そんなうるうるしなくても怖いことはしないよ」
「本当……?」
「うん、当たり前でしょ?」
今の奏くん、心なしか意地悪して楽しんでいるように見えてしまった。
そして、奏くんの手が私の頬に触れた。
「……こんなに純粋な心を持っている美都には、これからも清くいて欲しいから、ね」
「……?どういうこと……?」
「ああ、なんでもない。」
にっこり微笑んだ奏くん。
なんだか満足気な顔をしていた。
「あ、それでな、美都」
「ん?」
「俺たちは将来結婚するわけなんだし、スキンシップを取りたいと思うんだ」
そんなことを言いながら奏くんは先程私の右手首を捕らえていたはずの手を私に絡めて、にぎにぎしていた。
「え、あ、あのっ……」
これって、恋人繋ぎ……だよね……!?
「顔真っ赤にしちゃって本当に可愛いな、美都は」
「っ……!」
きゅんっと胸がなにかを貫いた気がした。