クールな幼なじみ(将来の)旦那様は、私にだけ特別甘いようです。

「あっ……!0時だ!」

「?」

「奏くん、お誕生日おめでとう……!!」

「誕生日……?」

「そうだよ!今日は奏くんの誕生日!」


……ああ、そういえばそうだな。


「そうだったね」

「も、もしかして忘れちゃってたの?」

「うん」

「奏くん、自分でもうすぐ誕生日だからキスして〜って言ってたのに?」

「そういえば言ったね」


美都、そんなこと覚えてたんだ。


「ねぇ美都」


華奢な美都の手首を逃さないようにぎゅっと掴んで、腕の中に閉じ込める。


見下ろすとそこには小さくて愛らしい、うさぎのような美都がいる。


「美都からキスしてくれるってことだよね?」

「……ふぇ!?」


……めっちゃ驚いてるじゃん。

そういうつもりじゃなかったってわけか。
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