クールな幼なじみ(将来の)旦那様は、私にだけ特別甘いようです。

「幼なじみとして、ハグは何回かしたけど、まだ“恋人として”はしてないよな」

「あっ……うんっ……」


恋人……。

複雑な気持ちだけれど、やっぱりその言葉はとても嬉しくて、胸がいっぱいになってしまう魔法の言葉だ。


「……ハグ、するか」

「・・・へっ?」


は、ハグ、する……!?


「ほら、おいで美都」


優しい王子様スマイルを浮かべながら、両腕を広げる奏くん。

「っ……!」


ぎゅっと抱きついていきたい。

だけど、抱きついてしまったら、また気持ちが一方的になってしまう気がして……。

どんどん勘違いして行きそうになる……。



「……美都?」

「あっ、ご、ごめんね……」

「もしかして、俺が嫌か?」

「えっ!?ちがうよ!」


むしろ、嬉しい……。

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