クールな幼なじみ(将来の)旦那様は、私にだけ特別甘いようです。

「ふふっ、ありがとう!」

「うん」


ぽんぽんと優しく微笑みながら私の頭を撫でてくれた奏くん。

嫌と言うほど心地いい空間。

壊れるのが怖いけれど、幸せで仕方がない。


「じゃあ勉強しに行こうか」

「うん!」





それから奏くんの部屋で勉強することになって、勉強が開始されたのだけれど……。


「かかっ……!奏くん……!?」

「ん?どうした」


今現在、私は奏くんのお膝の上に座ってます……。

ぎゅっとお腹に手を回されて、逃げることが許されないこの状況。


「む、無理……!ドキドキしすぎて死んじゃう……!!」


圧倒的に耳が弱い私。

奏くんが私の耳元で囁くから、さっきからビクビクしちゃって……。


「可愛いからやめてあげない」

「えええ……!?わ、私耳弱いの……!やめて……?」

「知ってるよ、だからわざとやってる」

「そ、そんな……!?」


これじゃあ勉強に集中できない……!!


「……このまま、ずっと腕の中に閉じ込めておきたい」

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