クールな幼なじみ(将来の)旦那様は、私にだけ特別甘いようです。
嬉しいことを言ってくれていることは重々承知の上で……。


「かわいいっ……」


もう私、奏くんが可愛すぎて耐えられない……!!


「……何回言ったらわかるの?可愛いのは美都だから」


だからそれは奏くんなんだって……!


耐えられなくて、両手で顔を覆った。


やっぱり、今勉強なんてできない……。



結局、勉強などできずに奏くんの可愛いをいっぱいもらっていたのでした……。



***


夜、パーティーの時間になり……。


奏くんはスーツを着こなしていて、言うまでもなくカッコいい。


なんだか……胸が躍る。


緊張もあるけれど、奏くんの『婚約者』として出るパーティーが初めてだからだろうか。


少し……いや、だいぶドキドキしてしまう。


「美都……?大丈夫?緊張してる?」

「ううん、大丈夫!」


不安なこともあるけど、それよりもただ、奏くんの隣に立てる喜びの方が優ってる。

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