クールな幼なじみ(将来の)旦那様は、私にだけ特別甘いようです。
「……じゃあ、行こうか」

「うん!」


差し出された手に、自分の手を重ねる。


奏くんの低体温ながら温かい安心できる身体に触れて、私まで癒されていくようだった。



それからパーティー会場では奏くんの誕生日が大勢の人に祝われて……。


婚約者になった私のことを、公で発表した。

思った以上に、驚かれなくてびっくりした。

どちらかと言うと、皆様やっとかぁって感じで。


多分……認められてるってことだよね?


ある程度落ち着き、みんな飲み物を持って歩き回り始めた頃。


「奏くん、大きくなったね」

「久しぶりです、いつも父がお世話になってます」


奏くんは私の家にとってものすごく地位の高いお金持ちさんとの会話に当たっていた。


私は少し邪魔な気がしたので、奏くんから離れた。


ふぅ……ちょっと疲れちゃったなぁ。


手に持っているジュースを一口飲んだ。


私、少しは奏くんの隣に相応しい人に見えたかな?


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