クールな幼なじみ(将来の)旦那様は、私にだけ特別甘いようです。
「あ、あの、お姉さん!」

「……?」


おそらく私のことを呼んでいるのだろうと振り向くと、そこには愛らしい小さな女の子がいた。


「ふふっ、どうしたの?」


しゃがみこんで、女の子と会話が始まった。


「私ね、王子様と結婚したいの!」

「ふふっ、そうなんだね」

「お姉さんはあの怖い王子様と結婚するんでしょ?どうして怖い人となの?」

「こ、怖い人かぁ……」


やっぱり冷徹なイメージがあるのかなぁ。


「みんなからは怖く見えても、私からは可愛く見えたりしちゃうから……かな!」


なんだかこんな小さな子相手に言うのもなんだけれど。


「んーよくわからないやぁ」

「ふふっ、そうだよね」


それが普通だと思う。


「私も王子様と結婚できる?」

「うん!できるよ。いつか素敵な王子様が現れるといいね」

「!うん!」


ぱぁっと満面の笑みを浮かべた女の子。


「おーい美春〜!」


ん……?この声……。
< 235 / 243 >

この作品をシェア

pagetop