クールな幼なじみ(将来の)旦那様は、私にだけ特別甘いようです。

「……そうか。残念だな、小さい頃から手を広げたらギュッて抱きついてきてくれたのに……」


はぁと大きなため息をついた奏くん。


「っ……」


そんな切ない顔されたら……。


ギュウッ。


抱きつくしか、できないよ……!


「これで、いい……?」

「……ふふっ、うん、ありがとうな、美都」


抱きつくと、今度はご機嫌な顔をして頭をぽんぽん撫でてくれた奏くん。


なんだか完全に流されちゃってるな、私……。


「……美都は、本当に可愛いな。喰べちゃいたいぐらいだ」

「ふぇっ……?」


私の髪をいじりながらそんなことを言う奏くん。


「ふふっ、本気にした?」

「っ……!ほ、本気になんてしてないよっ……!」


私、遊ばれてるっ……!!
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