クールな幼なじみ(将来の)旦那様は、私にだけ特別甘いようです。
小さい頃から、好き、大好きって言うととっても喜んでくれた奏くん。

それは、言った私を喜ばせるためであってくれたのかもしれないけれど……もし、本当なのであれば……。……。


「……そうか」

「うん……」


にしても、奏くん……どこに向かってるんだろう……?


しばらく歩くと、そこには奏くんの家のものだと思われる黒い車が止まっていて。

私はどこに行くのかもわからないまま、ただ奏くんに手を引かれて、乗せられてしまった。


「あのっ……どこに行ってるの……?」

「……どこだろうな」

「っ……」


ひどく冷たい声。

なんだか、苦しい。

奏くんに、冷たくされると、小さい頃からずっと悲しくなってしまう。


「……なぁ、美都」

「ん……?」

「俺のこと、大事だよな?」

「う、ん……当たり前だよ……!」


だって、奏くんのこと大好きだから……。
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