クールな幼なじみ(将来の)旦那様は、私にだけ特別甘いようです。
「ふふっ、それなら美都のお父さんに、あのボディーガードは使えないから切ってって言ってくれないか?」

「……えっ……?」


奏くんはにっこり恐ろしい笑みを浮かべていた。


「ど、どうしてっ……?あのねっ、皐月さんは——」

「その名前を聞いただけでも虫唾が走る」

「……えっ……?あ、ご、ごめんなさい……!で、でも……!ただ、助けてくれただけなの……!」

「……助けてくれた?」

「うん……!そうだよ……?」


私、皐月さんに支えてもらえていなかったら、絶対、怪我しちゃってた。


「……で?」

「えっ……?」


思ってた返事とは違かった。

きっと、いつもの優しい奏くんなら、

『そうだったんだな、勘違いしてたごめん』

優しくそう言って、優しく頭を撫でてくれるはず、なのに……。


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