クールな幼なじみ(将来の)旦那様は、私にだけ特別甘いようです。
なんだか、女性の方は大体が遥希くん目当てにも見えてしまったけれど……。
そして、廊下が騒ぎ始めた。
「キャー!!」
女の子達の黄色い声……まさか、奏くんが来たのかな……?
ドキドキしながらそんなことを考えていると。
「……美都、来たぞ」
「……え?」
そう言って来たのは……。
「お兄、ちゃん!?」
奏くんではなく、お兄ちゃんだった。
「見てみて!めちゃくちゃかっこよくない!?湊都様!」
「本当、人形みたいだわ!」
ザワザワと女の子達がしている中で、私はポカンとしてしまっていた。
まさか、お兄ちゃんが来るなんて思っていなかったから……奏くんのことで、頭がいっぱいで。
「美都、案内してくれ」
「あ、はい……!」
お兄ちゃんの元に駆け寄って行って、空いている席まで案内する。
「こ、こちらの席にどうぞ」
「ああ、ありがとう」
「……あの、お兄ちゃん?」
「ん?どうした」