クールな幼なじみ(将来の)旦那様は、私にだけ特別甘いようです。

「久宝様の誕生日は?」

「く、9月18日です!」

「久宝様、合っていますか」

「はい」


よかった……!!


そういえば、もうすぐ奏くんの誕生日だなぁ。

あと2週間ぐらいか。

次の誕生日は、一緒にはいられない、かなっ……。



「それでは次、久宝様、美都様のお好きなところは」

「へっ……!?」



思わず変な声が漏れた。


急に、そんな質問……!?

私には奏くんの誕生日のことだったのに、
奏くんには好きなところだなんて……。


また、苦しくなっちゃう気がする……。



「美都の好きなところは……単刀直入に全てですね、全部愛せます逆に愛せないところなんてない」



「おおっ……全てですか……その言葉は少し信用がならないのですが——」


「……俺は、美都の好きなところを言って美都のことがここにいるヤツらに知られるのがものすごい屈辱なので、こう言わせて貰いました」



奏くんは珍しくにっこり微笑んで……目が笑っていないけれど、みんなにこれ以上質問するなと言わんばかりの表情を浮かべていた。

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