クールな幼なじみ(将来の)旦那様は、私にだけ特別甘いようです。
「……どういうことだ」
「なんでも、ない……」
奏くんの手を振り払って、私は自分の部屋へと走った。
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バタンッと静かな音に響いたドアを閉めた音。
……なんで、私のこと抱きしめたりするんだろう……本当に奏くんはずるい人だ。
ベッドに飛び込んで、触り心地のいい布団に包まる。
……ああ、泣いちゃう……美都、少しは希望を持ってもいいんじゃないの……?
奏くんは、たしかにあのとっても美人な美波さんに告白されてた。
でも、婚約するって決定したわけじゃない、のに……。
いや、文化祭を共に回ってたのならほぼ確実か……。
さよなら、私の片想い。