クールな幼なじみ（将来の）旦那様は、私にだけ特別甘いようです。

「まぁとにかく……美都ちゃんは、生徒会長が取られないか心配なんだね？」

「うんっ……」


取られないかって言ったら、奏くん相手になんだか偉そうになってしまうけど……事実、その言葉が一番よく似合う。



「……そっか〜。あ、いいこと思いついた」

「……？いいこと？」

「ふふっ、うん！」


にっこり微笑んだ遥希くん。


な、なんだろう……？


「ねぇ、美都ちゃん、会長に振り向いてもらいたい？」

「えっ？あ、うん……」


でも、美波さんのことが好きなら無理矢理は———


「だったらさ、僕とデート、しない？」

「……へっ！？ど、どうしてそうなるの！？」


全くとして経緯がわからないのですが……！！


「僕とデート、偽デートして、それが練習になれば会長とデートした時、振り向いてもらえる確率が増えるかもしれないでしょ？」

「そう、なのかな……？」


なんだか、あんまりいい案だとは思えないのだけれど……。