クールな幼なじみ(将来の)旦那様は、私にだけ特別甘いようです。
「僕はそう思うけどな〜」

「んー……」

「ね?百聞は一見にしかず!」


見るって言うより実行してる気がするけど……たしかに、一理あるのかな……?


「う、ん……」

「それに、会長のこと少しでも忘れようとしてるんだったらちょうどいいんじゃない」

「たしかに……じゃあ、偽デート、頼んでもいいかな?」

「もちろんだよ」



ぽんぽんと頭を撫でてくれた遥希くん。



「……美都様」

「わっ!?さ、皐月さん!?」


急に現れたからびっくりした……!!


「俺も、同行してはだめでしょうか?」

「へっ?さ、皐月さんが……!?」

「僕はお断りだね」


ギロッと皐月さんを睨みつける遥希くん。


「あ、あの、いいんですよ?お仕事だからって——」

「いいえ、私情的に行きたいのです」

「私情でっ……?」


な、なんだろう……?
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