クールな幼なじみ(将来の)旦那様は、私にだけ特別甘いようです。

「……だめでしょうか……?」


しゅんっとした顔を浮かべた皐月さん。


っ……この顔、とってもずるい。

まるで幼い男の子がなにかをねだるような顔……。


よくお兄ちゃんにもこんな顔されて、色々させられてたな……。

じゃなくて……!!


「……納得いかないんだけど」

「あっ……遥希くん……!」


そうだ、遥希くんが言いだしたんだし、私が決めれることでは……ないかな。


もしかしたら遥希くんにはなにか深い事情がって皐月さんと関わりたくないのかもしれないし……。

例えば、花宮財閥……つまり、久宝家と婚約を交わしている財閥のボディーガードは嫌とか……。



「僕、美都ちゃんと2人っきりがいい」

「……え!?」



私と、2人っきりがいい……!?



「ど、どうしてっ……!?私と2人でいることに、そんなに需要ないと思うのだけれど……」

「いや、ありまくりでしょ。僕、美都ちゃんと一緒にいる時間がなによりも幸せで楽しいんだ」


そ、そんな……。


とっても、嬉しい。

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