私の彼氏はクラスで一番、
それならもう、大成功だ。
だってもう、すでに明日から、まともに目を見れる自信が無い。どうしたって意識してしまうに決まってるから。
だけど、それだけでは彼からしたら足りないようで。
「俺が、山本に一番近い男になりたい。山本の嫌がることは絶対にしないって誓うから、俺と付き合ってください」
そう、また手を差し出されて。
そんな私にばかり都合のいい話、いいのかな、と思った。
確かに告白されてドキドキしているし、ちゃんと嬉しさも感じている。でもこれはまだ、恋じゃない。彼に好かれているだなんて、本当に寝耳に水だったし。
それなのに、こんなにも真っ直ぐに想いを伝えてくれた彼に対する返事が、そんな無責任なものでいいのか。
悩んで、視線を落としてしまった私の手首を、彼が掴んだ。
ハッとして顔を上げると、セピア色の瞳が、揺らぐ私の心を捉えるように煌めく。
「俺に告白されて、嫌だった?」
首を横に振る。
「俺の気持ち、迷惑?」
それもまた、答えはノーだった。