私の彼氏はクラスで一番、
ドドドド、と地鳴りのような音を立てて心拍数が上がっていく。すでに熱かった頬が、身体中にその熱を伝播させて、融点に達して指先から溶け出してしまいそうだった。
視界に映る、濃いネイビーのカーディガンに包まれた腕が心臓に悪い。
お腹と背中がぽかぽかと暖かくて、これは私の方が阿久津くんの体温を奪ってしまっているのでは? と思いながらもカチコチに固まっていると、突然背中の上あたりで軽い振動が起きた。
「!?!?」
「はー……やばい」
どうやら阿久津くんが私の背中に額を預けたらしい。
ぎゅっと抱きしめられる力を強められて、ぐわーっとこみ上げてくる様々な感情に襲われた私は、堪らず彼の腕の中で体を捻った。
「ああああ阿久津くん!」
「ッ、待って、今こっち向かないで」