私の彼氏はクラスで一番、
「いやでもそうは言われましても私──」
もう恥ずかしさが限界突破して倒れそうなんですが!! と許しを請おうとして、そのままあんぐりと口を開く。
「……こっち見んなって」
見たことがないくらい、真っ赤だった。私の顔じゃなくて、阿久津くんの顔が。
日焼け知らずの白い肌だから、首筋まで赤く染っているのが良く見えた。
金糸の隙間から覗く瞳もどことなく潤んでいて、その色気と可愛さが同居する表情にこちらの脳がバグる。
「ど、どうして……」
「山本がアホみたいに真っ赤になるから、釣られたんだよ」
あーくそ、と悪態をついた阿久津くんが、口元を手で覆って、私から視線を逸らした。
そして、もう片方の手の甲で、私の頬を優しく押す。
「もう、昼休み終わっちゃうから、山本は食べることに集中しなさい」
確かにそれは正論だった。
結局その後、阿久津くんは抱え直すようにまた私を抱きしめ、私は初めて見た彼の照れ顔に呆然としながらお昼を食べ進めたのだった。