私の彼氏はクラスで一番、
私もとくべつ掃除が得意だったりするわけではないので、今日は気分じゃないなあ、なんて日も勿論ある。
それでも、私が迷わず環境・美化委員会に立候補する理由。それは──……
「七葉、やけにご機嫌じゃん」
とある放課後。
無意識のうちに鼻歌を歌っていると、リュックを背負った帰宅準備ばっちりな里香ちゃんに声を掛けられる。
「へへ、今月、水やり当番なんだ」
机の中から軍手を取り出しながら、満面の笑みで振り向くと、里香ちゃんは全然共感していなさそうな顔で「ああ……」と呟いた。
「ほんと好きだね。何がそんなに楽しいんだか……」
「これのためだけに委員会に入ってるところあるからね!」
──そう。花壇の水やり。
それこそが、私がこの委員会に入っている最大の理由だった。
ガーデニングが趣味の母親に影響され、植物と触れ合うのが好きな私。特に色とりどりの花は見ているだけで癒されるし、学校の花壇となると家では見られない花なんかもあって、私にとっては宝石箱のようなものだった。