私の彼氏はクラスで一番、


そんな宝石を眺め、触れ、慈しむことが出来る幸せな時間。

それが、私にとっての水やりの時間だった。


「ずっと見てると可愛いんだよ。すくすく育ってねーって気持ちになる」

「何目線なのそれは……。まあ、暑いからほどほどにしなさいよ。倒れないようにね」


水もしっかり飲むように! と里香ちゃんは心配性だ。

ウンウン。小言にも似た里香ちゃんの言葉にガクガク頷くと、「聞いてんの?」と軽く額を小突かれる。


半分くらい聞き流してましたなんて言えるわけもなく笑って誤魔化せば、里香ちゃんは呆れたような視線を送ってきた。


「ま、いざとなれば彼氏様が居るから平気か」

「えっ」

「は? 居ないの?」


サッと剣呑な表情に早変わりした里香ちゃんに脊髄反射で首を横に振る。


「いやっ、大丈夫!」

「……なにその反応。まさか、あのチャラチャラ軍団との遊びを優先してサボるだなんてこと──」


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