私の彼氏はクラスで一番、

「だっ、大丈夫だから! 落ち着いて!」


里香ちゃんは、阿久津くんの周りを取り巻くあのキラキラと明るい人たちがどうも苦手らしく、あんまりいい顔をしない。


でも私は、ちょっぴり憧れたりもするのだ。

男女問わず仲が良くて、いつも楽しそうで。自然とクラスの皆を笑顔にさせちゃう。そんな時もあるから。


「ほら、急がないとバイトに遅れちゃうよ」


どこにも所属していない里香ちゃんは、その分アルバイトに精を出している。


これ以上追及されるのも苦しくて、里香ちゃんの背を押してぐいぐいと廊下へ向かうと、里香ちゃんはそれ以上何も言わなかった。ものすごくジト目ではあったけど。


里香ちゃんを校門まで見送ったその足を、そのまま校庭へと伸ばす。


お世話をする花壇は、主に昇降口と中庭の二つだ。


まずは中庭から行こう。時間があれば草むしりもしたいなあ、なんて頭の中で段取りを考えながら歩いていく。

中庭は、運動部が精を出すグラウンドの真ん中からは少しだけ離れていて、野球部やサッカー部の掛け声を遠くに聞きながら辿り着いたところで、目を見開いた。



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