私の彼氏はクラスで一番、
ややあって、えっ、私!? と驚きながら顔を上げて、更に驚く。
頬杖をついた彼が、その切れ長の瞳に真剣な光を宿して、私を真っ直ぐに見つめていたから。
綺麗な瞳にじっと見つめられると、一気に緊張の度合いが跳ね上がってしまう。イケメンの目力は強いのだ。
「いるの?」
赤みがかった茶色の目が、じっと私の答えを待つ。
どうして突然そんな質問を……? 不思議に思いながら、私はぶんぶんと首と手を振った。
「う、ううん。お恥ずかしながら、そういう人は……」
「別に恥ずかしく無いでしょ」
無意識に口をついて出た自虐は、すぐに斬られた。
まさか間髪入れずに否定の言葉が被せられるとは思ってもみなくて、目を丸くする私に、彼はどこか気まずそうに視線を逸らす。
「いる、って言われたら、困ってた」
「そ、そうなの……?」
首を傾げつつも曖昧に頷くと、じとりとした視線を向けられる。その眦が、ほんのりと朱色に染まっていた。