私の彼氏はクラスで一番、
「うん。私は平気だよ!」
「……じゃあ、明日」
お願いします、と、さっきまでの威勢が嘘のようにぺこりと頭を下げられる。私も釣られて頭を下げた。
なんだかトントン拍子に決まってしまったけれど、休みの日に会うなんて初めてだ。ちょっと緊張してきた……。
「ど、どこでしようか? 図書館とかいく?」
「学校の奴、居るかもしれないよ」
「あ、でも勉強なら……」
見られても、勉強を一緒にしてるって言えば……それも変かな? でも、そんな騒ぎ立てるような人は図書館には来ない気もするし……。
「そこは気にしないんだ。んー……」
僅かに呆れが混じった笑みを零しながら、阿久津くんは考え込むような仕草を見せる。
そして、宵闇に濡れたように輝く瞳が、こちらへちらりと視線を流した。
「山本が嫌じゃなければ……俺の家くる?」
「阿久津くんの?」