私の彼氏はクラスで一番、
でも私はもう、繋がった指先から伝わる熱に、それどころではなくて。
その時の私の顔は、あっという間にすぐに沸くことで有名な、かの電気ケトルよりも早く茹で上がっていたに違いない。
「俺さ、好きな子が居るんだよね。今のところ片想い」
「そ、す、え……?」
なぜ手を取られたのかの説明もないまま、まるで独白のようにぽつぽつと降らされた言葉。
当然まともな反応など返せるわけもなく、戸惑いは深まるばかりだった。
というか、片想いなんだ……。
こんなにカッコよくて人気者な彼なら、彼女が居て当たり前だと思っていたけど、どうやら違うらしい。
そこで、ん? と、とあることに気付く。これって、もしかして……。
「恋愛相談……?」
思わず思ったことをそのまま呟くと、凛々しい眉が怪訝そうに片方跳ね上がった。しかし、すぐに目が細められ、どこか挑戦的な視線を投げつけられる。
「相談、乗ってくれんの?」
「え、でも私じゃお役に立てないと思う……よ?」