私の彼氏はクラスで一番、
いやこの状況で寝れるわけ!
なんなら、心臓が一気に騒ぎだして、眠気なんてほとんど吹っ飛んでしまった。
「あの阿久津くん、私、そろそろ……」
彼の腕の中で、膝を抱えて丸くなる。そのままぼそぼそと呟くと、阿久津くんの頭がこつんと私の頭上に落ちてきて、ひえ、と喉が鳴った。
暖かいし、いい匂いがするし。恥ずかしさと緊張で頭がクラクラ、茹で上がりそうだ。
「せっかく二人きりなんだし、少しくらいイチャイチャしたい」
「い、イチャイチャ……」
ぶわぶわと身体中が火照る。
室内は冷房が効いてひんやりと涼しいはずなのに、ここだけ熱が篭っているようだった。
「……駄目ですか」
「だ、駄目じゃない……です」
声が少し震えてしまう。
だけどどうにかそう答えると、嬉しそうに彼が頬を摺り寄せてくる。室内の人工的な明かりですら、宝石のような輝きに変えてしまう黄金色の髪が、視界を眩しく踊っていた。