私の彼氏はクラスで一番、
しばらくは、彼にされるがまま。私は借りてきた猫のように大人しくしていたのだけど、それも十分もすれば段々と慣れてくる。
……いや、慣れたというよりは、胸がぎゅっと締め付けられるような緊張が限界突破し、自棄になっていたのかもしれない。
とにかく私は、何を思ったのか、抱きしめ返そうと彼に手を伸ばしたのだ。与えられるばかりでは心苦しくて。
まあ実際は、布越しとはいえ彼の肌に意図をもって触れることがどうしてもできず、引き締まった腰回りの布をそっと掴むだけになってしまったのだが。
頭上から、息を呑む気配が伝わってきた。
そうされると居た堪れず、そっと離れようとする。しかし、それよりも早く、今日一番の強さで抱きしめられてしまった。
「……!」
上半身を彼の方へ捻じるようにして掴まっていたせいで、阿久津くんの胸に頬を押し付けるような体勢になる。