私の彼氏はクラスで一番、
男女問わず人気者な彼の周りには、当然、可愛い女の子も沢山いる。
一度も恋人が出来たことのない私なんかより、その子たちに相談する方がよっぽど為になると思うんだけど……。
「いや、最適性」
「そう……?」
「うん」
即答とともに、すり、と親指の腹で手の甲を撫でられた。その感触がくすぐったくて、ピクリと肩が跳ねてしまう。
男の子と手を繋ぐなんて、保育園ぶりだ。この状態を“繋いでいる”と表現していいのかどうかは別として。
こう、躊躇いもなく異性の手を握れちゃうところが、私とは違う人種なんだよなあ。
緊張感とドキドキが限界突破してしまいそうで、もはや思考を放棄するように感心していると、まるで私の気が散ったことに気付いたかのように、軽く手を引かれる。
「よそ見すんな」
ちょっぴり拗ねたような顔。
彼はこんなに表情豊かな男の子だったのか、と新鮮な気持ちになりながら、私はロボットのように身を硬くして、コクコクと頷いた。