私の彼氏はクラスで一番、


私より先に居た人も、後から来た人も、みんなササッと準備して出ていくからびっくりして見れば、なるほど、あらかじめ水着を中に着込んでいるらしかった。


確かに私も、小学生の時よくそうしてたなあ。

水着自体があんまりにも久しぶりすぎて、忘れてたや。


この日のためだけに新しく買った水着を着て、日焼け止めをしっかり塗る。

しばらく悩んでから、ラッシュガードを取り出した。


それを羽織って、チャックを一番上まで上げたら準備完了だ。


「急がないと」


一息ついてから、最後にメイクが崩れていないかチェックし、ポーチと携帯だけを手に、更衣室を飛び出した。




「ごめん、遅くなりました!」


遠くから、阿久津くんらしき人影があるのは分かっていたから、走って駆け寄る。


しかし、息を切らしながら立ち止まって、すぐに目を逸らしてしまった。


(阿久津くんのカラダ……直視できない!!)


細くてシュッとしてると思っていたけど、脱ぐとやっぱり男の子だ。思っていたよりもガッシリしていて、薄っすら筋の浮いた綺麗なお腹に視線を吸い込まれそうになる。


「う、浮き輪、持ってきてくれてたんだね」


さっき、一瞬だけ直視してしまった阿久津くんは、大きな浮き輪に体を預けるようにしていた。阿久津くんは、こくりと頷いたようだった。


< 74 / 129 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop