私の彼氏はクラスで一番、
なんだか、今までで一番、彼の前で自然体で居られた気がする。
心の底から楽しくて、ずっとこの時間が続いて欲しいと願うような、そんな時間だった。
「そろそろ、腹減らない?」
そう声を掛けられたのは、太陽がてっぺんを昇った頃のこと。
言われてみれば確かに。ちょうど良く、お腹もくぅ、と小さく鳴く。
「お昼にしようか。俺も腹減ったし」
クスっと笑った阿久津くんに頬を手の甲で撫でられると、冷たくて気持ちが良かった。
気が付かないうちに、この炎天下で熱を溜めすぎていたみたいだ。
海の家に着くと、阿久津くんは空いてる席に私を座らせて、お昼を買いに行ってくれた。
「ごめん、混んでた」
席で待つこと十数分。飲み物とご飯を両手に戻ってきた阿久津くんに首を振る。
「ううん! むしろ任せちゃってごめんね、ありがとう」
「どういたしまして」
焼きそばにたこ焼き。それに飲み物。こういうところで食べるご飯ってすごく美味しそうに見えるから不思議だ。
「いただきます!」
「いただきます」