私の彼氏はクラスで一番、
そういうこと、なんだろうか。
でも、それはなんだか……。
「違う?」
思考を読まれたみたいに、言葉が重なる。
「違う、というか……」
なんて言えば、いいのかな。
自分でも上手く形に出来なくて、迷いながらも、たどたどしく言葉を紡いでいく。
「阿久津くんが、いちばん、かっこいいから」
私の中では、とびぬけて、いちばん。
「だから……誰にでも、は、違うかな?」
言いながら、うんうん、そうだ。と自分で納得する。
近くにいるだけで緊張してしまうほど、綺麗な顔だな、と思うのは、私の中で阿久津くんだけ。
「好みの顔……とかは、自分でもよく分からないけど、阿久津くんの顔はすごく綺麗で、素敵だなって私は思う」
「……」
「あっ、私はっていうか、多分それはみんな思ってることなんだけど! というかあの、顔だけじゃなくて、喋り方とか、性格とかも、ちゃんと……!」
焦れば焦るほど、余計なことまで口から転げ落ちてしまいそうになる。
ちゃんと好きだよ! そう言おうとして、なんだかとんでもなく恥ずかしいことを宣言しようとしていることに気付いて、寸でで飲み込んだ。
「……もー、ほんと、ずりぃわ」