私が好きになったのは芸能人?!
「ねぇ、なんで誰もいない写真撮ってるの?」
「えっ」
まさか、その写真を言われるとは思っていなかった、てっきり陸くんの写真を見られているのかと思っていたから
「なんでって…綺麗だったから…」
「綺麗?だって誰もいないし、いつもの風景じゃん」
陸くんは頭をかしげてこっちを見ている
頭の上にははてなが浮かんでいるようだ
確かにみんなそう思うよね
見慣れた景色で誰もいない、寂しい写真に見えるかもしれない
けど、私にとってその写真は物語を感じている
私はその思いをぽつりぽつりと話し始めた
「それは…この写真を見るのは私だけじゃなくて、他の誰かだから…
誰かの楽しい思い出も素敵だけど風景から、自分を思い出し、
楽しかった思い出、悲しかった思い出、その人にとっての思い出が思い浮かぶと思って…
思い出すことを邪魔しないように、私は誰もいない写真を撮ってるの…」
こんなに話しちゃったけど、大丈夫だったかな
陸くん静かだけど…意味が分からなかったかな?!
どうしよう、変なやつって思われたかも…
「…そっか」