私が好きになったのは芸能人?!

私の手に自分の手を乗せてくる




えっ…?


私は思わずお客さんである男の人を見る



「可愛いね…どこの事務所にいるのかな?」


私に向かって微笑んでくる

事務所?


「あの…私ただの高校生なんですけど…」


手を引こうとするけどしっかりと握られていて離してくれない


「へぇ〜…陸がいるから君も同じ芸能人かと思った」


男の人はメガネの奥で目を丸くして私を見ている



だ、だれ?



「確かに陸くんは芸能人ですけど…私はただの高校生です」


どうしよう、全然手を離してくれない

離してくれさえすればとりあえず逃げられるんだけど


「ふ〜ん…君さっきまで接客としていなかったよね?
 裏で料理作ってたの?」


そのまま話しかけてくる


「え、えぇ、そうですけど…」

「じゃあ可愛くて料理も上手なんだ!
 素敵だ」

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