秘書はあらがえない気持ちを抱いて
「あれは当て付けだ。
それで…
お前に焼きもち焼いてほしかった。
止めてほしかった。
あわよくば好きって言ってほしかった。」

「なんだよそれ…
止めれるはずないだろ!
まして、好きなんて言えるはず…使用人の俺が主人に対して言えるわけがないだろ!
それに!自分が好きって言ってないくせに、相手から言ってもらおうとか、卑怯だろ!」

「俺が好きって言ってたら、お前受け入れたか?」

「それは…」

「お前今も言っただろ。使用人が主人に対してって。お前は使用人だからって気持ちにストッパーをかけて、両思いだと知ってもきっと俺を拒んだだろう。
だから、お前がストッパーのことなんて考えられなくなるくらい、気持ちを押さえられなくなるまで待ってた。
気持ちを伝えるのはそれからにしようって、それまでは手を出さないようにしようって決めて。
結局手を出したのが先だし、最後は俺から言わせた形だけど、何年も待った甲斐があった。」

「それって…いつから…」


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