秘書はあらがえない気持ちを抱いて
「こういうこと。」

呆然とする俺に理央が微笑む。

「えっ…あっ…」

「じゃあまたね。」

理央は一度俺の顔を優しく撫でると、何事もなかったかの様に屋敷を出て行った。

今のは…

「瑛二。」

突然後ろから声を掛けられ、飛び上がるほど驚いた。

しかも、不機嫌な進一郎の声だった。


まさか…
今の見られてないよな?


恐る恐る振り替えると、進一郎が不機嫌な顔をしていた。

「進一郎、どうかしたか?」

「今から俺が良いと言うまで、タメ口禁止だ。」

「突然どうして…」

「それから、俺のことはご主人様と呼べ。」


これは…
見られてたな。
しかも拗ねてる…




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